見れば見るほどいいかげん。いや素朴なくるま。
純正部品なのか?工作パーツなのか分からない?

今回はマフラーを造ります。
元々は純正パーツだと思うのですが、造りを見ると・・・・鉄工所で作った雰囲気ムンムンです。

ハーレーのカスタムに没頭していたころ、御託にもれずマフラーの試行錯誤に
明け暮れていた時期があります。
納得するマフラーはきっと、ないのだろうな〜と思っていたら、
なかなかのマフラーができたのです。

今回はそれをベースに造ってゆきます。

サイレンサーは2本、取り回しは交差します。
それじゃ行ってみましょう!SW9638の”クロス マフラー”製作記



先にも述べたように、これ自作?ってなくらい造りがいまいちです。



このページを立ち上げた当初は工具も乏しく、サンデービルダーには参考になったろう。
しかし、工具が充実してゆき個人の域を超えてしまってる。

かといって元には戻れないよな〜。
てな訳で、三本ローラーで繋ぎ部分を製作。



今回使用したパイプは2インチのステンレス製。
ポッシュから通販で購入し、180度1本、90度1本使用した。

二本に分岐する部分を製作しているのだが、クロスするのでお互いがねじれて分岐する。



重なる部分が複雑なカットになるが、構造上しかたあるまい。

ここでワンポイント! パイプを切断する場合は自宅ではグラインダーが現実的だ。
しかし、パイプを綺麗に切るのはなかなか難しく、始点と終点が合いにくい経験はないだろうか。

そこで、マスキング テープをあらかじめ巻いておくと、良い目印になる。



どうです綺麗に切れたでしょう。

お次も勉強になるよ!
今回パイプを切断し、継いでエグゾーストを形成する手法をとったが、
曲げ加工の加減で、切り口の外周が合わない場合がある。

先に矯正しておくのが筋だが、ついつい忘れ溶接するときありますよね。
上の写真(右)がそうです。裏側は綺麗に面が出ているのですが、裏に回ってみると
これだけの段差ができてしまいました。

しかし、ある程度の修正はこの段階でも可能です。



シャコ万力でできるだけ表面がそろっている所を、溶接で仮付けします。

写真では少し分かりにくいですが、右側の写真のパイプ切断面上には段差が残っています。
シャコ万力を使って、「これ以上の力で押さえると変形してしまう」
と言う所までパイプを押さえます。



その状態から、TIG溶接機で局部的に熱を入れます。
この場合、溶接棒はしようしません。熱だけ入れます。

これが板金で言うところの絞りです。

仮付けが終わり外周を溶接。平ヤスリで出来るだけ溶接を削り、
#60のディスクペーパーで溶接を削ります。



ペーパーは倍に目を上げてゆきますから。#60〜#120〜#240で研ぎます。
#400を越えると、顔が映るくらいになってきます。

 

マフラー製作の発端は、このエンド パーツが手に入ったからです。

東大阪のマフラー業者から入手したのですが、ヤフーオークションにも出品されていました。
なにせ基準はこのパーツになるので、取りあえず計測です。

 

三本ローラーで平板を曲げ胴部分を製作し、エンドを溶接。

ここでのポイントはキャップと胴体の段差をつくらない事。
表面を研磨する場合、必ずしっぺ返しを食らいます。

 

筒と言っても当たり面は線です。
線を真っ直ぐ処理するには線で対向です。平ヤスリで地道に磨ぎます。
これをグラインダーなどで手を抜くと、面が出ません。

写真右の左側のマフラーは平ヤスリ〜#60ペーパーグラインダー〜#120ペーパーグラインダー
〜#240ペーパーグラインダー〜#120ハイラップです。
その辺を復習したい人はここへ

 

出力側のキャップは確保できているが、入力側のキャップは何も考えていませんでした。
そこで入力側のキャップの製作です。
今回は胴体の内側に入り込む構造にします。

内径は50.8ミリで直径は(直径101.4ミリ−厚み2ミリ−遊び0.4ミリ=99ミリ)のC型を切ります。
0.4ミリの遊びは少ない気もしますが、連結部を溶接するので縮みます。
問題ないはずです。
外周は寸法を頭に入れて意識しておいて、少々大きくてもいいです。
無論、型紙から寸法を取ります。

 

円錐を曲げるには球状の当てが使い良いです。

今回はボールバルブの中に存在する、ボールを宛がって円錐を製作しました。
薄いから手の甲で十分曲がります。

 

そして直径99ミリの型紙を切り、重ね合わせて余分な部分をカット。

 

胴体に入る帯を三本ローラーで作り溶接。

これで入力側は完成です。

 

続いてサイレンサーです。

2サイクルんのマフラーは良し悪しがハッキリ出ます。
街の小さなバイクショップがマフラーを作りレースで優勝してしまったり、チャンバーに5ミリ程度の凹みが有ったので
直してみると5馬力ほど出力が出た。とか、色々な伝説が2サイクルマフラーには存在します。

しかし4サイクルにはそんな劇的な話を聞いた事が有りません。

せいぜい、音が良くなったとか、マフラー重量が軽くなったとかです。
しかし、あるマフラーの設計をしている人物と親しくなり、こんな話を聞きました。

「マフラーは息をしないのがベストだ。排気孔に短冊を宛がって、この短冊が
脈を打たないのがベストだ。それを実行するにはテーパーを幾つも造る事」

なるほど。

そこで私はサイレンサー内でテーパーを造る事にした。

 

円錐を切り出し丸棒に宛がう。
ボールではテーパーが合わなかったので、仕方なく丸棒を使用した。

これを8個作る。

 

できた物を宛がってみる。

少々大きめに造ったので胴体には入らない。外周を5ミリほど大きく残し、余分な部分をカット。

 

5ミリ大きく残したのは胴体との座りを良くする為に、胴体と平行に耳を作るためだ。
こうすることで、芯の寿命も延びるし、胴体に局部的な力がかからない。

そして胴体に通した図。

 

8個全て同じ寸法ではない。

入力側のキャップは、胴体の内側に位置し、その内側に芯が配置されるので、
直径が97ミリほどになる。

そしてテーパーとテーパーを繋ぐ穴を製作。

今回は50・8ミリのエグゾーストパイプから入力。
第一の芯径を40ミリ。第二芯径を35ミリに設定した。

右の写真で先端を5ミリ余分に残し、グラインダーでカットした。

 

内部から40ミリの丸棒で叩き、外周はソケットレンチで受けてある。

三本ローラーで製作したパイプを芯に挿入するが、ここでなんぎするのは溶接だ。

芯本体はパンチング板を使うので、溶接が困難だ。

 

溶接が困難なのは穴が存在しているぶん、熱の逃げ場所が無いからだ。
だからどうしても網部分だけに熱が溜まってしまう。
そうするとパンチングが熔け落ちてしまうからだ。

そこで、今から溶接しようとする部分を少しずらして、プライヤーなどで挟んでおく。
そして溶接すると、熱がプライヤーに逃げ、パンチングへの熱溜まりを分散させる事が出来ます。

上の写真ではあの薄くて細い部分の溶接でも、しっかり付いているでしょう。

 

こうして二本分のサイレンサーが完成しました。3室のテーパーが構成されているでしょう。
これにグラスウールを巻き芯の完成です。

 

マフラーを保持している車体側のステーが、困った存在だったので、ここで作っておきました。

6ミリ厚のステンレス!この金属高騰の時期、ひじょうに贅沢でしょう?

 

地味〜なパーツですが取り付け完了。

お次は飾りバンド。これはリッベットで固定する際のワッシャー代わりにもなるものです。



そして意味ありげに一部分だけ、2ミリ厚のうち1ミリだけ残し削って有ります。

 

ここに「SW9638」の刻印を打ち込みますから〜。

そして3本ローラー!3本ローラー3本ローラーってうるさい?
しゃ〜ないです!工具が有るんだから。ギャハハハハハハ。

 

お次に、エンドキャップの製作。

これはバイクにとって比較的メジャーなパーツです。買ってもそれほど高価なものではありません。
作る手間を考えれば、買っても全くもんだいありません。

しかし、旋盤あるんだもの・・・・造っちゃいま〜し〜た〜。

 

仮にマフラーを取り付け、ステーの製作に移ります。

マフラーの底から2枚の板を出し、ブッシュ状に削ったステーを挟み込む形状とします。
無論すべてステンレスです。

 

ブッシュを挟み込んだ状態が左の写真です。

ここでのポイントは飾りバンドが通る穴を、開けておかなくてはなりません。

 

そこまで作業が進むと、組んだマフラーを外さなくても良いので、
本体の仕上げへ進みます。

今回は磨き仕上げではなく、サンドブラストの打ち放し仕上げ。

 

芯を挿入し、組み付けます。

すれじゃ取り付けステーの続きです。

ブッシュ状のステーの腹に7ミリの穴を開けタップを打ちます。
これはオスメス合えばピッチはさほど影響しません。

 

もう、お分かりですね。ステーのシャフト部分にネジを切ります。

シャフト径は10ミリで、7.8ミリまで削り8ミリのネジを切ります。
それをブッシュにねじ込みます。こうすれば振動に弱いステンレスですが、寿命が飛躍的に延びます。

作り直したマフラーブラケットに、布地が編みこまれているゴムブッシュを置き、
ベースになるステンレスを配置します。

このベースにシャフトが付きます。

 

ブッシュとベース間を、シャフトが結びます。

二本のシャフト間を、プレートで補強です。
これも型紙から形を起こします。

 

最終的にブッシュシャフト間は溶接します。

 

どうですか?イカツクなったでしょう。

飾り金具もエンドキャップも取り付いています。
飾り金具は#400の磨き加工なので、胴体とは色が異なり独特の存在感です。



音は二本サイレンサー独特のノイズが出てます。
音を小さくしたかったので、吐き出し面積を少なくしました。若干おさえられていい範囲です。

また見かけたら聞いてみてください。

あ〜ちかれた。


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