先ず本題に入る前に、カスタムとは何ぞや?に触れなくてはならないだろう。

一口にカスタムで一括りにしてしまうのは、非常に横暴な事なのです。

「Custom」を辞書で調べてみると、「注文に合わせること。特別仕様の。」と記載されている。

それはバイクを速くしたり、ツーリングの為にパッケージに凝ったり、美しく仕上げたりで、
ボルトオンもカスタムであり、ワンオフパーツもカスタムって訳だ。

しかし私の解釈はちと違ってくる。

ボルトオン パーツは大量に流通された時点で、「特別仕様」では無くなってくるのではないか。

”カスタム”は軽い感じがするが”Custom”はもっと厳粛な存在であるべきだ。

バイク乗りの数だけカスタムの形は存在する。特にハーレーはぬきん出ている。

これほどベースからかけ離れたバイクはないし、先ず新車の状態をお目にかかることは少ない。

話が少々脱線したが、企業が造った大量のカスタムパーツを、俺だけのバイクと勘違いしている。

俺から言わせて頂ければ、そんな輩はメンバーズカードを所有して喜んでいるお子ちゃまである。

そのメンバーズカードは大量の人間が所有し、大量の人間が優越感を満たしてるだけの話である。

私が見るに日本人は、特に皆と同じでないと落ち着かないようで、誰かが髪の毛を染めると自分も染め、
あっという間に茶髪の集団が構成され、誰もが「俺は人と違っている」何て思っているわけだ。

バイクとは小型枠で長さ4.7m、幅1.7m、高さ2mの塊であり、
カスタムとはそこからどう自分らしく削り取るかだ。





全く懐かしい限りだ。エンジンが止まって5年になろうとしています。
もうこうなると別に乗りたくも無いです。

しかし、現在組み直して検査を受けに行く予定で居るのですが、
人間そおゆう状況になると勝手なもので、何かウキウキするのは正直なところです。

さて今回の発端となったカスタムの原因は、皆さんお気づきの方もおられるでしょうが、
純正フレームは(バイクを横から見て)、地面に一番近いパイプが(ロアーパイプ)前上がりになっているでしょう。

その姿を見てると散歩の途中で、顔をシワシワにして犬がイヤイヤしているように見えてしまいます。

あと4センチフロントが下がれば地面と平行になるのに。
ブレーキ操作に入った場合フロントが沈み込む計算もしてあるのだろうが・・・・・。
どうしても犬の面影が・・・・。




スプリンガーを改めて見ると、純正スプリンガーにはレイク角が有るのに気が付きます。
それもマイナスに。
マイナスって事は、前輪タイヤがフォークネックから後方に寄っていると言う事です。
計測してみると約5度のマイナスレイクです。

このマイナスレイクを0度にすれば、フロントフォークは前方に押し出され、全長が伸びローロングが実現します。

そしてここから検証してみます。

幸いな事に私のバッドボーイは96年製で、スプリンガーの補強が施されてあります。
確実ではありませんが、それ以前のフォークは2,4ミリベースのスチール板から製作され、
以後は3,2ミリに変更されたと記憶します。

従って、レイクを無くして不利な加重が加わっても、補強してあるぶん傷口は軽いと考えました。

走行中フロントタイヤは後方へ押される外力が加わり、ブレーキ作動時には回転方向に前に押し出される力が掛かります。
(前に押される力とはキャリパーがブレーキ作動でマウントステーに加わる力です)
従って(上の写真にマーキングされている部分)
「先端アクスルとキャリパー固定用ボルト」には逆方向の力がかかり、この部分が折れるのを良く目にします。

レイクを戻して理想の形にし、補強対策済みのスプリンガーで、問題は無いように思われました。

それではここからはなぜ純正はマイナスレイクにしたのか?逆に考えて見ましょう。




96年FXSTSBバッドボーイのレイク/トレールは、32度/13.34cm。
トレール量が増すとバイクは安定し、減ると旋回能力が上がります。
詳しく知りたい人は「トレール量」で検索するとヒットします。

因みに同年スポーツスターXLH1200Sですと、29.6度/11.68cm
ロードキングFLHRだと26度/15.65cmだから顕著に現れています。





ホイールアクスルから垂直に下ろした線と、ネックチューブから真っ直ぐ伸びた線の設置距離がトレールです。

これから見ると、ネック角度が固定されていれば、マイナスレイクすると前輪タイヤは後方に移動し
トレールが増えます。逆にレイク角をプラスに振るとトレールは減ってしまいます。

マイナスに振ったレイクを、0度に近付ける事でレイクが減るのであれば、
適正トレールを得るにはネック角を寝かせる必要が有ります。
これではフレームに大掛かりなカスタムが必要となります。

まっ、それは良いとしてここで問題が一つ上がった事は事実です。

おまけにスプリンガーフォーク先端には、ロッカープレートと言う部品が付いており
これによってテレスコピック フォークよりトレールが減ってしまう傾向があります。

これは構造上の問題で仕方のないことです。

このロッカーアームの長さを変更すると、スプリングの加重計算が狂うばかりでなく、
ショックアブソーバーにも影響し、構造物そのものの存在から考えなくてはなりません。

そう考えると、スプリンガーフォークはトレールが少なくなる傾向のフォークだと言う事が分かります。
スプリンガーフォークのフロントホイールを、21インチに大径にすることで、
トレールを稼いでいる可能性も見えてきます。

(タイヤを小さくするとトレールは減り、大きくすると増します。)


 

お次に、スプリンガーステムシャフト(新聞にくるまれて見難いですが。)
レイク角を変更すると言う事は、このシャフトの角度を変えることです。

シャフトを一度抜き空いた穴を溶接で埋めます。
ステムの5度レイクを0度にするには、元の穴を埋めて新設する必要が有ります。

しかしステムを台座から引き抜き、直径25ミリの穴を、溶接肉盛りするだけではフォークに熱影響が出るやもしれません。

旋盤でシャフトを削り穴に挿入し、残りを溶接する算段です。
削り物は中心から両サイドへテーパー加工され、これが溶接で言う”かいさき”にあたります。

ここから問題二点目。

作業を進めてゆくうちに、ステムを0度に戻す事が不可能だと判明しました。

5度も戻すと、スプリンガーフォークのスプリング固定部に、ステムの外側に有るネックチューブが干渉してしまいます。

これを解消するには、0度に近づくまで出来る範囲でレイクを戻すか。(3度〜4度と言ったところか)
スプリング固定部のステーを作り変えるかです。

スプリングを固定しているステーは鋳造物で、複雑な形状です。
これを作り変えるとなると結構大変な作業になります。

正直なところ「とうとう鋳造品を個人で造る日が来たか」何て考えました。
以前、家に来るガス業者に、鋳造に使う砂の金額を聞きましたが、
その答えを未だにもらっていなかったので、再度連絡入れようと思っていたわけです。


 

さて次ぎ行きます。

当たり前と言えば当たり前なのですが、ステムが取り付けてあるベース部分が、5度かさ上げされています。
これはグラインダーで削り取る何て荒業は禁物です。

何せベアリングが落ち着く場所ですから、そこそこの精度は必要です。
初めは、フライス盤のフェイスミルで削り取ってやろうと考えましたが、構造的に掴むのが非常に厳しそうです。

旋盤の回転部にエンドミルを咥えスプリンガーを固定し、削ろうかとも思いましたが、
考えてみると問題が山済みになってきて、私も少々慎重に考えなくてはと思ってきました。

作業を進行する前に、ちょっと考えよう〜っと。


 

私の場合は、作業の見切り発車が結構あります。
やっちゃえばどうにかなると思っているし、案外どうにかなってきました。

物を作るうえで、固定してしまう構造物は、そんなに神経を使う物ではありません。

逆に単体で作動する構造物はそうはゆきません。精度が上がれば構造物のライフは著しく向上します。

スプリンガーフォークは、部品そのものが作動部品ですから、いくら気を使っても「考えすぎ」は先ずありえないです。

続いて当初から視野に入っていたスプリンガーのトップティーです。

写真を見てもらえれば分かりますが、フォーク部分はトップティー上面に対して垂直の穴が開けられています。
しかしステム部分はフォークに対して5度のずれがあります。

従ってトップティーは交換か製作しようと考えていました。

右の写真を見てください。トップティーを横から見た写真ですが、ステムとフォークとがオフセツトされています。

当初は5度戻す事によってオフセットは無くなりステムの中心とフォーク中心が一直線になるものと思っていました。
現に旧式のスプリンガーは、一直線上に並んでいる物も有るのです。

トップティーを造る算段は立てていましたが、上記のように問題が増えてくると覚悟ができているものまで、
現実的な話に思えなくなってきます。

余談ですがこのオフセット量が増せば、トレールはプラスに振ります。




以上のようなことで、今回は諦めました。

一番の要因はスタイルが変わらない割りに改造箇所が多すぎます。
逆に言えばそれが良いのかも知れませんが。

ハッキリ言って新設計で造った方が、自分の理想に近づき強度もかせげそうです。
あまりにも不合理!

不合理?んんっ〜。良い響きではありますが・・・・。

こんかい急いで組んでいる訳も有って見送る事をご容赦ください。


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