カー側のアクスルビーム製作編。

先月に引き続き、面白くない人には全くもって面白くない。
そんな事を言っていたら、HPの存続自体が危ぶまれるので、無視してGO!GO!です。

 

カー側に10インチと言う、現在では考えられないホイールを取り付けるために、関連するブレーキで悩んでました。
調べてもらったら分かるけど(調べる奴はいないか)現在国内でセールスされている乗用車に、
10インチ ホイールを搭載した車輌は販売されていない。(たぶん)

なぜそんな事を言うかと言うと、サイドマシーンのカー側ホイールは10インチであり、そのホイールを固定するピン廻りやブレーキ廻りを、
車から移植するには、ピンの長さやオフセット、ブレーキの外周など採寸が必要になる。

仮にその辺の寸法が取れたとして、FFのフロント廻りを使ったほうがいいのか?FFのリアなのかいやいやFRの・・・・・・。
キリが無いのである。

家の中が散乱している場合は先ず足元から、これ基本である。
考えていても解決しないので、一つ一つ解決する事にした。

先ず、ブレーキはディスクにするかドラムにするのか?
トータルの外径を考えると、どうしてもドラムが魅力的だ。それに、駐車時にサイドブレーキを効かせたいので、自然に考えてもドラムが有力。
ディスクブレーキであっても、サイドブレーキを組むことは可能だが、ここはドラムの流れで考え、無理な場合の選択肢にしておこう。

次に、フロントのアクスルを使うのかリア アクスルを使うのかでる。
私は形状から考えて、リア アクスルが必然と考えた。それにフロント ドラムブレーキを探すより、リア ドラムのほうが現実的だ。

そうなれば、ドラム ブレーキの外径とホイール ボルトピッチ。あとオフセットをかたっぱしから調べるか。

選定車輌は軽四輪。会社の社用車2台にお客さんが乗ってきた車を、「あの〜サービスで足回り見ておきましょうか?」なんちって採寸。
で、選ばれた車輌がワゴンRのリア アクスルだ。

上記の写真はオークションで購入。決してお客さんのリア アクスルをぶち切った分けではない。

 

アクスル部はグラインダーで粗切り、旋盤で余分な溶接を削り取った。
ここで少々困った事が発覚した。どうやらこのアクスルシャフトに関する鋼材は、非常に硬そうです。

ディスクグラインダーで削る際に、火の粉の飛び方が通常のスチールより多いのだ。
この火の粉の飛び方で、スチールの種類に目測がたつ。

それを記憶の片隅に置いといて削りに入り、芯の出たアクスルに固定用のパイプを差し込む。
アクスルの鋼種を考慮し、このパイプには継ぎ目無しの、プロペラシャフトに使われる物を使用した。

アクスルからの中心を導くのに、旋盤にセット。黄色い矢印にあるバイトとパイプの間隔を回しながら調整する。
そして溶接で動かないように仮止めする。

 

で、アクスルとパイプとの溶接になるが、先にも言ったように、この部材は通常の溶接を避けたほうが良い。

鋼材が硬くなると、溶接には予熱と後熱が必要になる。
予熱とは溶接する前に、材料をある程度温めておく事で、後熱とは溶接後にも温めて、徐々に冷やす工程です。

今回は溶接物が比較的小さいと言う事で、400度を10分。溶接後に400度を10分。保温材に包んで徐々に冷やします。

400度の見切りにはサーモクレヨンを使用。
これは、その温度に達するとカサカサだった先端がトロ〜リ溶けちゃうのです。
最近では、赤外線の非接点温度計なんてものがありますが、金額を考えると・・・・割愛させていただきます。

 

設定温度でトロリ〜ときたので、10分の予熱を終え溶接。その後10分の後熱で保温材に包みます。
忘れていなければ写真掲載しますが、それはそれは綺麗な焼け色がアクスルに反映されていました。

 

溶接が完了し、ドラムに仮組みしてみる。
パイプ部を金属にぶつけた際に、”キ〜ン”て言う何とも硬そうな高音が響いた。どうやら熱処理も問題なさそうです。

次の作業は、このアクスルを取り付けるビームの製作。
右の写真は平板を採寸し、曲げ加工に穴あけを施しました。ねじれを考慮し、クロスメンバーを梯子状に組んで行きます。

 

回りがうるさくて申しわけない写真です。

先ず、5ミリの平板を常磐の上に配置します。続いてビームとなるプレートを置きバイスで固定。
クロスメンバーになるパイプを(これもプロペラシャフト用のシームレス)組み、
中間を保持する鋼材を置いてもう一枚のビームプレートをセット更にバイスで固定する。

 

クロスメンバーが仮付けされた時点で、アクスルを挿入。
タイヤとの間隔を決め、軸になるシャフトの平行を確認。

ベースとなる寸法が出たところで、実車に搭載し各部を確認。

 

取り付けられるスイングアームの軸には、ニードル ローラーベアリングを左右挿入します。
グリス切れも考慮に入れ、軸にはグリスニップルも加工組み付け。

 

梯子状に組まれたフレーム上下にふたを施し、ねじれ強度を増します。

(右の写真参照)進行方向は向かって右側になるが、先端が外側へキックされています。
ここは他のサイドカーとは異なる部分かもしれません。

気が付いている人もおられるでしょうが、ハーレーディビッドソンのように、サイドカー フレームと座席部それに
タイヤ構成部とが独立しているものとは違い、サイドマシーンは上記の3点が1つのボディーに覆われています。

従って、定められた寸法の中に配置する必要が有ります。
このアクスルビームの直ぐ横には、座席が据えられるので、コンパクトに配置しないと居住空間が確保できません。
そこで、邪魔になるアクスルビーム先端を、タイヤ前面に回す事で、座席空間を確保できるわけです。

 

そのアクスルビーム取り付け部にニードルローラベアリング取り付けです。
ついでですから、ニードルベアリングの簡単な挿入方法を掲載しましょう。
(あっ、もう焼ける心配は無いので、塗装も済ませちゃいました。)

ベアリングの多くが圧入されているように、ニードルも例外ではありません。
ただ、ニードルは同軸上に取り付けられていることが多いので、それを利用しちゃおう。

全ネジボルトに、ナット=大きなワッシャー=ニードル=アウターチューブに挿入=ニードル=大きなワッシャー=ナット。
両端のナットを締め込むと、ニードルは自然と圧入されてゆきます。

コツとしては、ナットで締め込んでも変形しないくらいの平ワッシャー。
それと、ニードルベアリング外周が隠れるくらい大きな物を使うのが大切。

 

お次は、内ブッシュを挿入。入れたついでにグリスアップです。
ブッシュ回りから、グリスが均一に排出されてるでしょ。

 

ドラムブレーキのハウジングも取り付け。
これでアクスル ビームはパーツとして機能してゆけるだろう。

アクスル ビーム後端にはショックが取り付けられる。
この、ショック取り付けと先端のビーム取り付け部は、メインのフレームへと構成されるので、
ここからは本格的なフレームの製作&シート製作に突入する。

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