ハッツ・ハッツ・ハッツ・ハッツ。
ゼェ〜・ゼェ〜・ゼェ〜・ゼェ〜・ゼェ〜。

息が荒い?
ヒッヒッヒッヒッ!

先ほどから擬音で勝負しておりますが、今回は「自分でやっちゃえ!タンク修理!」

ギャハハハハハハハハ!

さっ、ほんとにそんなことが出来るのか?じっくり見てみましょう。



  

これが元もとの状態で車両価格500万円強!ヒェ〜〜〜。

  

そしてこれが現物。
車両がひっくり返ったのか上方が潰れ左の角にかなり深いひっ欠き傷。

意気込んで初心者でも直るように焚き付けて、無理な・・・・ハッ!

いやいやまだわかりません!
人間チャレンジ精神が大切です。
信じることが大切です。きっと直るよ貴方のバイク!

  

右の写真はタンク内に納まっているユニットです。

燃料計のフロート電気関係の部品がガソリンに浸っているわけです。
何か危なっかしいですが自動車もこの手法は使われています。

ステンレスのトレーに受けてあるもの一式が、タンク内に納められています。

  

仲間達と集まってガレージを借り、車やバイクをいじっています。
良く聞くセリフですが私の知る限り、その関係が崩れるのは火災が最も多いです。

私は仕事柄どれくらいの臭いが危険なのか知っています。
それでも私はギリギリのラインでは仕事をしません。
それ以上の確約がないと、作業を行うべきではないと知っているからです。

バイクのタンクに火を入れ爆発し、複雑な形のレプリカ タンクがほとんど球状になったのを見ました。
シンナーの缶で焚き火をしようと、蓋をタガネで切った際に火花で爆発しその人物は失明しました。

上の写真はガソリンの蓋を三日開けっ放しにし、下部のユニットを取り外した物です。
複雑な構成のタンクですから、タンク内に板の継ぎ目が存在します。
その継ぎ目に、”外気にさらされない”ガソリンが存在します。
この状態で火を入れると大惨事に至ります。

今回の場合ウエスでガソリンを拭い、水洗い後に二日間放置しました。

  

第一攻撃

作業の順番は、作業性が良く金額の安い物から行う。これ基本です。

最も変形している部分の先に、えくぼが有るので、先ずこれからです。

右の写真はケミカルプーラーと言って、ゴム状の円柱にフックが設けられています。
先端をライターやドライヤーでとろけるまであぶります。

溶けた状態で局部に押し付け、冷えるまで待ちます。
冷えることによって、局部と固着されますので、これを引っ張るわけです。

見事に千切れました。

いや〜っ、まいったまいった。
何回やっても同じでしょう。次の作戦いってみます。



第二攻撃

タンク底から、タンク本体を修理しやすく曲がりも直しやすい部分を、選定します。
そして修理を見越して切断します。

あっ!自分で直そうと、頑張って読み進んでいた君!申しわけない。

このタンクはアルミで構成されています。
カットは切断砥石。サイド溶接のため現溶接部分から切ることにした。

  

第三攻撃

左写真の工具を作った。
16ミリのボルトで、ナット部分に6ミリ板のスチールを溶接した。

内部に差込み、ボルト部分を右へ回すとボルトは上方へ移行する。
内部から外部に力を掛けるのだ。

あ〜あっ。自分でなんて出来ないよな〜。

そして振るいは掛けられるのであった!



内部からボルトで力を掛けることができたが、それだけではタンクが変形する
可能性があるので、外部からプラスチックハンマーで、凹んでいる部分を軽く叩く。

今回はこれでほぼ修正できた。

んんっ・・・・・。ここから先のページを何人の人が見るのだろう?
4〜5人居ればいいところか?

  

第四攻撃

さ〜っ!見る者が誰も居なくなっても、そーさー!一人になってもページを完成させるぞ!

次は一番深いところの修正です。

左写真はエアージャッキなるものです。
本体はハガキより一回り大きいくらいで、厚みは3ミリくらい。
通常は鍵を閉じ込めた車両の窓に差込みエアーを注入。

開いた部分から鍵を開ける工具なのだが、それをタンクの張り出しに使用した。

しかしまた問題が発生!
手動ポンプで圧力を掛けるのだが、握力70sの私では力不足!

せめて倍は欲しい。今からスポーツジムに通って、140sの握力を叩き出すのに何年掛かるだろう?
そうだ!以前TVでゴリラの握力が300s有ると聞いたことがある。

ゴリラを連れてくるのも難しいが、ポンプを奴の手に握らせ、
君の渾身の力でそのポンプをもんでくれ!何て伝わるのか?また、もんでくれるのか?
いやいや、風船が破裂するかも?

姫路動物園の電話番号を調べる前に、違う手段を考えよう。


そして私は自宅の常磐に穴を開け、専用の修正機を作った。
ええいっ!ガレージビルダー万歳!

  

第五攻撃

このために油圧ジャッキ買いました。
ゴリラの握力に匹敵・・・、いやいやそれ以上です。

常磐から柱を二本固定し、それにスライドできる支柱を横断させます。
センターにジャッキを配置すれば、姫路動物園には用は無いです。

  

左は加工前。右がジャッキで突いたものです。

細かなところはまだですが、全体のラインが変わったことに気づくでしょう。

  

第六攻撃

ハンマーポイントが深いので、ジェラコン樹脂と言う円柱の棒で、内から外へ叩きます。

右の写真は細かなラインを出して、サンディングした図です。

  

第七攻撃

深いえぐれ傷は溶接です。

リュターで残った塗装の剥離と、酸化してしまった表面を綺麗にします。

  

溶接が終わった部位ですが、ここはしっかり補修したいので裏波は必要です。

裏波とは溶接表面に現れているビートを、裏側にも形成するものです。
溶接の溶け込みが重要ですが、機密を守る為にも確実な溶接を。

  

第八攻撃

そしてデブコンの登場です。

このタンクの横ラインは、プレートどうしを全て溶接で繋げられていました。
曲がってしまった溶接部を元に戻すと、クラックが入る可能性が有ります。

そこで裏側からデブコンで補強します。

このデブコンは優れもので、素晴らしい食い付きです。
硬化すると爪で突いたくらいではびくともしません。アルミに対しても非常に良好です。

  

第九攻撃

切り取ったアルミを作り直します。

写真では1.7ミリの厚みですが、塗装の厚みも含まれているので、実際は1.5ミリでしょう。

溶接されているので、素材はジェラルミンでは無いことがわかります。
アルミの機密材料に使用される5052系のアルミ板でしょう。

曲げは2箇所。実寸にあわせて、2ミリ板のアルミを用意しました。



こんな感じですが、気がつきませんか?

自分で作ろう!って言葉を、私が発しなくなったのを。

気がついてみれば、お釈迦様の手のひらの上だけで走り回っていたように。

スポーツジムだの姫路動物園やらゴリラやら、現実離れした話に花咲かせ。

そして誰も居なくなった!ってところですか。

ギャハハハハハハ!

  

溶接部で切り取った際に、アルミ板の耳の部分がタンク内部に残ったままです。
これを残していた理由は、取り省いてしまうと、
タンク修正時に溶接部を汚してしまう可能性があるからです。

しかし、なかなか取れません。
そこでスプリングを取りは外す時に使用する、スプリングドライバーを使用しました。
この耳が軽々起きるではないか!

  

取り省いたあとアルミ用のファイル(ヤスリ)で裏側をならす。

表側は塗装を綺麗に剥離します。

  

アルミ板が内側に落ち込まないように、切れはしをプレートに仮溶接。
溶接後にユニットを組みタンク内に空圧を掛けます。
圧力は0.5sもあれば大丈夫です。

0.5sと言っても一cm平方ですから、タンク全体に掛かる圧力は大きいです。
点検中にはタンク自身が息をしていますから。

  

第十攻撃

溶接部はサンディング処理し、パテ入れされています。
完成を想像するのは困難ですが、ラインの感じで元の状態を想像できるでしょう。

あ〜っ!俺もゴリラみたいな鼻になってみて〜・・・・じゃなく。
300kgの握力がほっせっイ〜!


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