よくお客さんから質問されるんだけど、

どんな車?バイクが好きですかと。


触っている車両が多岐に及ぶので、そんな質問は自然なのだと思うわけさ。

で、思うわけ。バイクは用途によって乗りたいものが変わってくるのさ。

山に行きたいときはOFF車だし、のんびり秋風を感じたいときはアメリカン。

カッ飛びたい時には隼なんかにも乗ってみたい。

 

しかし、車だけは違うんだよね。

”それ”以外は全部バイクで事足りるのだけれでも、これだけは車じゃなきゃダメなの。

 

乗り物に乗るって言う事は、バイクより車で感じることが出来る。

勿論、バイクでも乗り物に乗るってことは感じることが出来るのだけれども、
存在感の中で自分を置くことは難しいのさ。

でもって好きなのはこのジャンル。



1900年から1930年までかな。

その時期のアメリカ車は大衆車の匂いがして、それを何とかイカす車にしようと
頑張っているのが、ロードスターやホットロット。

同じ時期、ヨーロッパ車は宝石のような車を造り続けた。

フォードなんかも嫌いじゃないが、アルファロメオやベントレー。ダイムラー
にブガティーなんかはたまらない。

ある人物からの依頼で、車のエクステリア製作。
それがラリーやMGである。

 

”乗り物に乗るって言うこと。”

修理とはいかに元の状態に近づけるのかの探究である。

カスタムとはいかに乗り手の生き方を形にできるかの表現力。

戦前車はチャレンジしてきた先人の足跡をなぞる行為だと考える。

 

最近じゃ、鍵をシリンダーに差し込まなくても、ポケットに鍵が入っていれば

パワースイッチで車が発進しちゃう。

いやいいのよそれで。

なんで車が停まってしまったのか分からない人が大多数の現代で(そんな
私も電気仕掛けの最近の車は、なんで停まったのかわからない)

乗ってやってるんだなんておごりが何ともふにおちない。

 

この時期のフォードはGasタンクの位置が高くて、上り坂はバックで後退しないと
エアーを吸ってエンジンが止まってしまったらしい。

それはさておき最初のガソリンは手動ポンプで送り、進角を手動で変更し
車の前に回ってクランクをレバーを使って回してあげる。

乗りものに乗るって言う感じでしょ。当時は当たり前だったんだから。
携帯が無かったときのようにね。

 

当時の車を真剣に見たことがあるだろうか?

それはもの造りを生業にしている人間はたまらない機構が盛り込まれている。

 

細いフレームに簡素な外装(エクステリア)。

しかし理にかなっている。しなるフレームは悪路に対してダメージを吸収する。
これほど軽い外装がこの世に存在するのか?

 

ラジエーターキャップは手作りで何ともオシャレだ。
中にはヒートすると固定された男の横顔に、女性がキスをする構造のものも見受けられる。

Gasキャップはもう芸術品だ。

 

板バネには可動時のきしみ音を軽減するために、ロープで丁寧に編まれている。

このロープは何処かが切れても後方へ引きずらない編み方が施され、
この編み方にすると膨れがロープに発生するのだが、その膨れも模様に変えている。

フェンダーステーなんかも手の込んだものだ。



素晴らしい職人さんたちが造った車たち。

愛くるしくて愛おしい。



未だそんな宝石のような車を手にはしていないが、死ぬまでに
一台所有することをここに誓いましょう。

そしてそんな魅力を教えてくれた西尾 隆広さんに、このページを捧げたい。


SW9638 黒沢 竜治

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