私も小学生の頃、マセラティ・ボーラやマセラティ・メラクに憧れたものです。
まさか!この歳になってマセラティを触ることになるとは。
何やら楽しいお仕事になりそうです。
クーペだけなのか分かりませんが、この手の車輌はエンジン底でエグゾーストをかなり潰してあります。
V8エンジンがでかすぎるのか?
それでは加工に入ります。
エンジン底にマフラーが収まっているのですが、更にその下にパンチングのカバーが取り付けられています。
パンチングの板を外すとマフラーが顔を出します。
問題の部位は矢印部分。
構造上仕方ないのか、エキゾーストのかなりの部分を潰してあります。
吹き抜けを考えると、確かに容量確保したいところです。
当初私は、大口径のパイプと変更しようと考えていたのですが、
地面との距離を考えると、背の高くなるパイプよりは角パイプにし、長方形タイプが
ベストだと考えました。
そこで手前の一部分を鼓状にカットし、サイドの耳を立て蓋をする方法に決定しました。
部分カットして更にビックリ!
想像していた部分は内側に歪が入っており、外見以上に面積を奪われていたのです。
現状の採寸です。高さ2.3センチ横11センチ。円を潰した形状なので、計算してみると24.16cm。
ここを挟んで前後のパイプは60ミリ。計算してみると28.26cmとなる。
しかし、上の写真を見ると24.16cm-4cm=20.16cm位が妥当なところか。
左は加工前で右が施工後です。
写真で確認できると思いますが、左の耳の長さだけ背が高くなるわけですから、
おのずと容積が増えるわけです。
部位が大きくなるので切り取った材料は使えません。
マフラーがステンレスなので同じステンレス同じ厚みで新調します。
微妙な曲面をつけて溶接時には中心部分にアース用の捨て材を取り付けておきます。
バッテリーのマイナスアースを取り外しておくのは基本ですが、溶接アースの位置を確認しても
電気が車を駆け巡る可能性は拭えません。
ここは車とは独立した部分から溶接アースを取るのは、常識なのです。
従って、後から付ける部位に溶接アースを取るために準備を施しています。
横から見るとかなりの容量確保ができたでしょう。
最初の写真とは雲泥の差です。
横幅は変わらず11cmですが、高さが3.6cmになりました。計算すると36.81cm
ステンレスの厚みを除外して60ミリパイプの面積が28.26cmと考えると、30%ほど容量が増し、
潰れていた状況からだと1.8倍くらいに容量が確保できている計算です。
で困ったことが発生しました。
マフラー下に取り付けてあるパンシングプレートが、12ミリ大きくなったマフラーに干渉します。
マフラーが大きくなったのでプレートの取り付けは不可能です。
何てSW9638は言いません。
そう!板金しちゃいましょう。
あたり部分にマーキングし、サンドバックで打ち出したあと、イングリッシュホイールで整形です。
どうです?いい感じで膨れたでしょう。
丸パイプを使っての容量確保となると、こうはなりません。
作業はこれで終了か?と思うでしょうが、実はまだ作業が残っているのです。
その工程はまた後日です。
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