拘りの話、第一回目はスポーツスターのタンクです。

 

 今回スポーツスターのタンクを解体する機会がありまして、普段目にする事の無いタンクの内部を

見てもらうのですが、至るところにハーレー社の拘りをかいまみれます。

これは面白いかもとページを割いたわけです。

 

 何年か前、塗装屋さんにブラックの塗装を依頼した時です、塗装屋さんに「どんな黒!」って聞かれた時に

「クロ〜イ黒!」って言ったら怒られてしまいました。

 塗装屋さん曰く「黒でも200色は有るんやで・・・・・と、」失礼しました、私はその台詞に感銘を受けたもの

です。

 

 そんな拘りを紹介しようと思って居ます。

 

 それではボチボチいってみます。

 

 

 

上の写真はスポーツスター前面の取り付けステー部です。

 

    

(A図)                                  (B図)

 

   溶接されているステーを剥離したのがA図です。      こちら(B図)は剥離した前方ステーです。

  丁度ステーの中心部に穴が開いているのが分かるで   このステーL型でないのがお分かりでしょう、角に

  しょう。 ハーレー社に確認した訳ではないのですが、   アールを取ってあるからJとLを複合した形になってい

  商売柄私も、ガソリンなどのタンクローリーを溶接する   るでしょ、これは力の集中を分散させるためなのです。

  機会がありまして、こういったタンクとステーが隣り合     分かりやすく言うとこういった加工をしておくとステー

  った場所はステー内部の空洞部(実際は1ミリ以下で   自身がスプリングの役目を果たし全体で加重を支えま

  す)の作用で、かなりの温度差がありステーの取り付   す。 

  け部からクラックが入ったりします。 この温度差を均    勿論このステーにラバーゴムが付いてある程度、力

  一にする為、袋状となっているステー取り付け部の裏、  を吸収するのですが、ステー自身も力を分散できれば

  (タンク方向)に穴を開けてタンク内部の一部分とし解   効果はプラスアルファーです。

  消しているのです。

   真夏に給油するとタンクが、ひゃっこいでしょあの現

  象が何十年と続くとタンクにダメージを与えるって訳で

  す。

 

     

 

(C図)                              (D図)

 

そのステーに取り付くラバーゴムとカラーです。

(C図)はスズキのレーサーレプリカのゴム&カラーですが、皆さんも良く目にするものですから

お気づきの方もいらっしゃる事でしょう。

そうです!!ハーレーのカラーは削り物ですよ!!!

 

   

 

(E 図)                                   (F 図)

 

タンクはダイキャスト品ではありません、2枚ないしは4枚のプレス板で形成されております。

上の写真を見てやって下さい左(E図)がスズキ製、(F図)がBMWのタンクです。

お互いタンクの縁の部分に6ミリ位の耳が有るでしょう、

これがタンク上部と下部とを結ぶ溶接しろなんですが、ほとんどの燃料タンクは

2輪4輪を問わずこの方式をとっています。

間違っていなければこれはシーム溶接と言っていた様に記憶します。

スッポット溶接をご存知でしょうか、2枚重ねた鉄板に点と点に圧力を掛け

瞬時に電流を流すと2枚の鉄板の加圧されたところは熔着し接合されます。

タンクの場合「点ではなく」上下2組のローラー間に張り合わされた鉄板を差し込みスポット溶接を

連続で行います。

そうすることによって、低コストで確実に隙間無く溶接を完了できます。

 

    

(G図)                           (H図)

 

ハーレーのタンクです左はスポーツスター、右がソフィテールのタンクです。

どりらも耳が無い事に気付くでしょう、些細な事かもしれませんが

大量生産していく上では不合理な事かもしれませんがそこが又、良いところです。

 

そうそう、私が購入した当時のバッドボーイは、エンブレムが七宝焼きの装飾で

(4輪を含めて他社でもまず見かけません)HD社の問い合わせたところ、「現在ハーレーは

100年を迎えようとしています、そして初期モデルであっても大切に保管している

実情を考えれば、現在発売されているモデルも100年先でも乗っていただけるように」

を、コンセプトにしているらしい。

このタンクにしてもこれなら100年持つかもしれません!

 

 

(図 I)

 

   

 

(図J)                                    (図K)

 

さて、お次はタンクに使われている鉄板の厚みです。

図Iがハーレーのもの、図Jがホンダのネイキッドモデル、図Kはスズキのネイキッドモデルです。

あえて何社がどうのと演説は控えておきますが、ハーレーのものは塗料の厚みが

0.2〜0.3ミリあったとするなら鉄板の厚みは1ミリでホンダは0.8ミリ

スズキ0.5ミリといったところですか、鉄板を厚くするっていうことはそれをプレスする

機械も力の強い物を使用しなくては、ならないって事です。

国産車は全てにおいて計測したわけでは無いので、これを全てとは思わぬように。

 

皆さん燃料タンクに使われている鉄板は比較的、硬度のある鉄板が使用されていると思ってい

ませんか?、実は一概にも言えないのです。

大体、プレスされているものは標準もしくは柔らかい鉄板を使っていると解釈しても

良いのではないでしょうか、私の経験上硬度のあるプレス鉄板はドラム缶

くらいな物でした。

しかしこのハーレーは別問題です。

鉄板は熱を入れてハンマリングすると硬度が増してゆきます。

しかしハーレーの場合、硬くなってゆく度合いが半端じゃないのです。

 

それともうひとつ、よくアフターマーケットで出回っている1万円以下のピーナッツタンク

等は、鉄板の厚みが0.5ミリ以下だったように記憶します。

 

最後にハーレーは塗料も半端じゃないのですがそれは又、次の機会ということで!

 

 

 

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