気になっていた人も多いことでしょう。
そう!Chevrolet C4500 Kodiak シボレーのコーディアック!これをアメリカ人はピックアップと呼びます。
んな馬鹿な?

とてもじゃないですが、これをピックアップとは呼べません。
ユーザーはカスタムを承知してくれるショップが見つからず、何県か回った後うちへお目見えしたわけです。

カスタムオーダーは

1.検査に通るように各種変更(アメリカから陸揚げされたままなので車両自身はアメリカ仕様)
2.貧弱なRフェンダーを別作
3.バイクが乗せられるようにボデーを改造する
4.全塗装
5.電装系の変更

その他

先ず最初に取り掛かったのは全塗装です。
ここで確約をとっておかなければ、切ったり張ったりした後で「塗装できません」何て言われたら最悪です。

塗装は外注に出すのですが、うちは大型の特装を専門にしている会社ですから、すんなりOKと思いきや!何処もNO!!!
  *特装とは特殊装備車のことで消防車やポンプ車、ダンプにミキサーなど俗に言う働く車です。

最初はOKしてくれるのですが車を持ち込むと

塗「これ塗るんですか?」
SW「よろしくお願いします」

塗「いやいや。塗らなくても非常に綺麗ですやん」
SW「お客さんこの色が気に入らないようで」

塗「って言うことは、現状以上の状態を期待しているわけですね。」
SW「そお言うことです。それじゃヨロシク」

塗「いやいや!取り合えず持って帰って下さい」
SW「いやいや!持って帰ったら断るでしょう。」

塗「いいから持って帰ってくれ」

SW「・・・・、言い忘れてましたがクリアー塗装後にバフで磨き入れて下さい」

塗「トラックに磨きを入れろって?持って帰ってくれ!」
SW「いやトラックじゃなく、ピックアップなんですけど・・・・・・」

何せ下塗りで一斗缶二本。塗料が一斗缶二本。クリヤーで一斗缶二本と、塗料の重さだけで重量税がかさみそうだ。


ある塗装屋さんは「いいですよ、その様な車では持ってくるのが大変でしょう。こちらから見に行きますので。」
非常に気持ちの良い応答!

しばらくすると軽トラックが一台会社の中に。車をアイドリング状態で走らせ何やら物色中。
私と目が合うとニッコリ微笑みかけ、何とも好感度の良い対応。
おっと塗装屋さんかな?

車中のおじさんの後頭部がピタリと止まり、その先にはコーデイアック。
おじさん後方を気にしながら駐車場の窪みにバックで車を入れる。

おじさん間近で車を見たらビックリするだろうな〜と、ニヤニヤしながらおじさんの方へ歩を進めるが、
何とおじさんそのまま会社から出て行ってしまった。
車庫入れさせて帰らせてしまう車って・・・・・・・。

さらに探すこと3件目にOKをくれる塗装屋さんに辿り着いたのだ。

さーっ!ここからが私の仕事。心置きなくやらせていただきやす。

 

しかしデカイです。もう笑うしか手立てが無い。


  

向こうの避妊具で日本人を知る。と言ったところでしょうか。

塞ぐことなくテールランプからやっつけます。

さすが合理的なアメリカ車。テールランプは縁がゴム製で、はめ込んであるだけです。
ぐいっと引っ張ると簡単にテールが取れます。

どうやらこのテールは一体型で、球だけ換えるのは不可能。球が切れればボデーごと取替えです。
非常にナイス!


  

今回取り寄せたテールランプに加工しますが、上下の高さが4ミリほど狭いので、下面を6ミリほど切り下げます。
これでテールランプ上下に1ミリづつの余白が取れます。




新しいテールランプ用の穴を新設しテールを装着。

ボデーのラインが直線的なので、このテールがまた良いでしょ!

06の規格では車の中へテールを埋め込んではいけないのですが、この車両には
ピンクスリップが付いており、当初の年式で登録することができます。

従って今年施行された保安基準は適用されないので、テールを埋め込むことができます。

*ピンクスリップとは日本で言う廃車証です。


  

トラックの場合運転席をキャビンと呼び、荷台をボデー。それを区切る写真の部分をプロテクターと言います。

プロテクターにもテールランプ一式装備されています。ユーザーいわくここに作業ランプを装着してほしいとの事。


  

先ほど加工したテールランプは、元々のテール穴より大きくなる為、ふさぐ必要はありませんでしたが、
今回の場合は作業ランプの方が小さく、左写真のようにスチール板で塞ぐ必要があります。

平面を出す為にカバーへスチールプレートを仮付けし、面に突き当てて目くら用のプレートを付けます。

そしてカット!適当なランプが売られていなかったので作ることにしました。
形としては右の写真です。




基本的に運転席内にランプスイッチを取り付けると、検査は通らなくなります。

写真のところに作業ランプが付く訳ですが、ボデー内にスイッチを付けるとかっこ悪いのでこうやってカバーで囲います。

ランプ自身もまだ完成していないので、この状態で検査に持ち込みます。


  

さてお次はRフェンダー。ユーザー曰くあまりにも貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!だそうです。
なるほど貧弱です。

現状のアルミフェンダーを取り外し・・・・・。

  

と、こんな感じにしたかったのですが、ユーザーの要求時間に答えられません!!!!!!!

俺って貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!貧弱!です。

と言うわけで、いつもの調子でやらせていただきます。


  

いつものごとく型紙です。

物がデカイだけに型紙が崩れてきますので、矢印部分にアルミ板をフェンダー間に渡し支えているの図です。


  

ここでも面白いことに気が付きました。

製作したフェンダーを溶接する為に、塗料を剥がしたのですが何と全てにパテが入れられています。
溶接ビートの上にも!

入れると言うよりかは、どうやらパテを吹き付けてあるようです。
スチール板に均一に肉が付き、溶接部のビード上面にまで均一に付いています。

従来のようにヘラで盛ってゆくのは不可能な仕事です。

よ〜く調べてみると、どうやら鋼板の仕上げが悪く、表面が「ゆず」のようにブツブツしています。
その表面を隠すためにパテを吹き付けているようです。


  

んんっ!このままでは装甲車になってしまう。西部警察からオファーがあるかも?
って知っているでしょうか?西部警察?

脱線ついでですが最終回に出てきたあの装甲車、神戸市西区のトラック屋さんで造ったんですよ。
確か撮影は第二神明から見える大久保でです。

失礼しました!次ぎ行ってみます。

写真ではフェンダーのRが大きいため、溶接棒を使って円を切り抜きました。


  

ろくな説明もなしにRフェンダー終わってしまいました。ギャハッハッハッハッハッ!

またまたビックリ情報!
ボンネットを開けたところ、ワイヤーロープ一本でこのボンネットを支えているのだ!
流石にピンと張ったときには、切れてしまうと心配したのかコイルバネで衝撃を吸収している。

・・・・・・・・。

もっとほかんところで心配しろよ!

ここでは右走行用のヘッドライトを左用に交換。珍しくも無いスタンレーが取り付けてあった。


  

さ〜て。

こんなこと聞いて面白いかどうか分かりませんが、ナンバープレートを照らすランプの交換です。

日本ではライセンスランプの球が、直接見えるようでは検査に通りません。
そこで日本製のライセンスランプと交換です。




ヘッドライトとライセンスランプと電装系が続いたのですが、バッテリーの収納が非常にユニークだ。

助手席ステップ部がスライドして手前に引き出せる。引き出すとバッテリケースが共に出てくるのだ。
作業性は非常に良いものの、引き出しぶんのバッテリーケーブルに問題がある。

引き出した時にバッテリーケーブルの張り調整しているため、収納するとケーブルが余り地面に垂れる。
これでは路面に突起物があると引っ掛けてしまう。

「こんなもんで良いんじゃない?」作業者の声が聞こえてきそうだ!

イイゼ!アメリカ!万歳アメリカ!




オオッ!知る人ぞ知る。あれです。

映画なんかで見たこと無いですか?ヤンキーやビックホーンを鳴らすとき天井のワイヤーを直で引く姿。

日本製はタンクからのエアーを電気バルブで解除しホーンに圧縮空気を送りますが、
アメリカではタンクから直でワイヤー引きです。機械式バルブですな。

ワイルドで良いです。これ乗ってるとテンション高くなりそうです。

しかしこれって・・・・。検査通るのだろうか?


  

しかし長いページ!きっとウィンドーズ3.1くらいのスペックだと表示できないだろうな〜。
今時3.1は無いか?

余談は置いといてそろそろ作り物の続きいってみます。

ここでは歩み掛けの製作です。

歩み掛けとはラダーレールの引っ掛ける部位です。
ユーザーはこれにハーレーとトライクを乗っけて走るそうです。

普通なら鋼材のアングルを溶接するのですが、まさかこの車にそれはないでしょう。

ステンレスパイプを曲げ各ステーでそれを支えます。
材質は全てSUS304!ステンです。


  

作業はまだ続きます。

キャビンとプロテクタ間が狭い為に、塗装用のガンが入りません。

隙間を確保する為にボデーをフレームから切り離します。




こんなもんでいけるでしょう。

しかし気を使うでしょうな〜。
近ければ垂れる、離せば背面で塗装面に触れてしまう。

俺が塗装屋ならこんな仕事断って・・・・・・。おっと!




水着に気を取られ顔を見てなかった。とでも言いましょうか、泥除けゴムに施行会社らしきタイトルが有りました。

キング トラック ベッド!
いかにも誇らしげ。トラックのボデーをベッドと呼ぶことがあるので、どうやら向こうでは
ベッドと呼ぶのが普通のようだ。

個人的な感情だがキングに強いイメージを、私は持ち合わせていない。
将棋にしろチェスにしろ高い戦闘能力を持っていないからだろう。

未だに検索を掛けていないので、何か面白いページが拝めるかも?


  

ステップは全部で9枚。
各場所に採寸し成型する。時間を食う作業です。

今回始めて知ったのですが、会社によって縞の模様が違うの知っていました?

今回の物は既に使われているアメリカの縞模様にあわせる為、クロス仕様にしましたが
二本クロス、三本クロスなどあります。

いやいや。何歳なっても勉強です。

珠算の先生「人間死ぬまで勉強と、以前にも言うちょるきに」


・・・・・・・・・。先生・・・・・・・・。四国の出身ですか?


  

良いでしょ歩み掛け。これ曲げるのに(株)姫路ベンダーのラインを止めてもらったんですから。

最初の写真とは大違いでしょ?




移動していたボデーを元の位置に。

溶接部を切断した箇所を全て再溶接。




全ての装備品は取り付けていません。
ステップ回りを含めて検査まで各パーツに傷を付けたくないからです。

完成の暁にはこのページで編集いたします。




まるで後ろの軽トラが、犬小屋から顔を出している子犬のようになっています。

センターラインから車がはみ出ています。
これでほんとに国土交通省は認めてくれるのか?

さて、ここからお約束の、完成形です。

 

長い道のりです。
これで検査にパスだろうと、出発して・・・・・。
いつ出たのか分からなくなったとき、帰ってくるとの情報。

後部にオレンジ線で囲まれた、黄色い板が付いてるでしょう?
これ、後部反射器って言って、無いと検査通らないんです。
仕方無しに付けました!感がたまらない。

 

一体・・・・総額いくらになったのか。
見かけが派手なら天井も負けてません。

見かけたら、一見の価値有りですよ。



ステップ周りも綺麗にアルミ縞を巻かれているでしょう?

そうそう、今回勉強になったのですが、何でもディスクパット面積が、
日本の規格では足らず、わざわざディスクのパットのプレートを造り、それに
パットを別に製作し、貼り付けたのですよ。
ワンオフ ディスク パット!



でかいでかいと、何度も申しますが、デカイです。

向こうにある道路公団が小さい小さい。

ユーザー曰く、荷台に装備されているアルミ歩み板で、バイクの積み下ろし。



色も中々でしょう?
確か、08シェルビーと同色だったはず。
これがまた、結構な金額だったのです。

まっ、無事納まって、めでたしめでたしです。

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