ハーレーにはサドルバッグ。BMにはパニアケース。

パニアケースでも、アルミが似合うのはやっぱGSでしょう。

今回は発注していた純正アルミ パニアケースが間に合わないと言う状況で、
嫁さんと計画していた、泊まりツーリングの日程が迫っていると言う設定です。

それと純正パニアの値段設定はどうなのか?その辺も検証したいところです。

自分で造る場合、いったいどれくらいの金額が掛かるのか?

与えられた時間は4日。全ての作業を終える予定で、今回スタートした。

*両サイドケースの製作で、今回トップケースは含まれて居ません。



純正パニアを発注していたと言いましたが、パニア取り付けステーは既に到着しています。
従って取り付けステーは純正品を使用します。

GS以外の車種にも、取り付けを考えていた方は申しわけないです。

現物を見た事が無いので、想像で取り付け配置を考えます。

ステーには上下4箇所のフックが付いており、前方から後方へスライドして差し込むようです。
ベースの純正品が有るので、差込側を造ります。


 

材料はSUS304 

中学校の技術の時間で、覚えている人もおられるでしょうが、折り曲げ部分の角々には逃がしの
穴を開けておくのをおすすめします。(下図の4ミリと記載されている部分)

据え置きのケースとは違い車両につけるものですから、振動が加わります。
おまけにステンレスは亀裂の入りやすい素材です。
集中加重は避け、分散させるのが鉄則です。



点線部分が折り曲げポイント。角度は154度です。
取り付け穴は6ミリ穴位置はコーナーから12ミリです。

左右対称のステーが4枚必要ですが、ケガキ線の段階では対称は成り立たず、
折り曲げの段階で左右が決まります。

爪を折り曲げ補強としてプレートを直角に溶接しておきます。


 

手に持っているのが造ったステーです。
どちらもが相反する角度で、同じテーパーで差込できる形状です。




差し込まれた状態を、本来ケースが取り付けられる方向から見ています。

差し込み角度前方方向と上部は別として、後方と下面はほぼ確実と言って良いくらいロックされています。

上部方向はケースに取り付けられると解消され、先方方向はケース本体をロックすると固縛されますから
ケースの形が出来てくるとその辺も問題ないと思われます。




私は折り曲げ機を持っていないので、(高価で買えるわけが無い)業者にお願いする事になります。
外観の80%はこれで決まると言っても、過言ではありません。

因みに全ての寸法はミリで表示され、製図を書かなくても折り曲げは可能です。
私は左の写真に有るメモを見せて曲げ屋さんにお願いしました。

素材はアルミのA5052。BMW純正品が1.5ミリ厚のアルミ板を使っているらしいので、
2ミリのアルミ板を使用します。(どこかで負けたくないんでしょうね〜)

上記のメモを見せて、曲げ手間賃の相場を聞いてみると、ケース蓋と本体で2万円くらいじゃないかと言う事です。
ケース左右で4万円と言う事になります。

見難いですが、左写真のAとBが蓋に。
CとDが右のパニアに。
EとFが左パニアになります。

組んだ感じが右の写真で、蓋本体がAで前後にBでカバーし溶接します。
コーナー部分は別に取り付けします。

胴体部分は本体Cに斜線のD部分が背面と底をカバーします。



手持ちの材料持込で、経費を少しでも安くとこっちも必死です。


 

コーナーカッターです。
矢印の部分に切断物を差込み、ペダルを踏むと上部の歯が挟み込み切断します。




蓋のコーナー部分です。
コーナーカッターで切り抜き、曲げ加工したあとA材料で型にあわせはめ込み溶接します。


 

全て曲げ終わるまでに6時間は掛かったでしょうか。
一千万以上の機械を使って6時間。
先ほど曲げ工賃が4万円と話していた事を思うと、時間当たり6、666円

普通給料の3倍の売り上げがないと人一人雇用できないと聞きますから。
6、600円×8=52、800円。23日仕事して1、214、400円

まっ、機械がフルに稼動しているとは思えませんが、高いと思うか安いと思うかは貴方しだいですね。




この時点では、蓋と本体とのシールまで考えが回っていません。
シーリング加工は、時間を食うばかりでなく細かな精度が必要です。

ツーリングまでに時間が無いので、シーリング加工は後回しにしました。
ケース本体が出来上がり、取り付けが出来ればツーリングには問題ないからです。

シーリングは後日に考えます。




フックや取っ手の老舗「タキゲン」で小物を調達しました。
タキゲンのすごいところは、たとえそれが一個であってもメーカーから直接発送してくれるって事です。
これは凄いことです。
一度メーカーホームページを見る事をお勧めします。かなり楽しめますから。

タキゲン 「プラスチック パイプ ホルダー AP216-2」 270円×8個=2、160円
「アジャストファスナー C-230-2」 790円×2個=1、580円

SUS304 19径1.5ミリ L=5000 2800円

ステンレス取っ手が同じ場所に付けられていないのがおわかりでしょうか?
これはケースを取り付けた場合に蓋の開閉が出来る用にです。




純正には無いステンレス取っ手がつきました。
後日分かったのですが、これは非常に使い勝手が良いです。
純正パニアにも付けてやろうか検討中です。

今回ケースを固定するのにパイプよ用のキャッチを購入したのですが、
あまりにも役不足。

純正パニアの蓋の裏には、180キロと記載されている事を思えば
このキャッチでは強度的に無理と判断し、簡易的に取り付けボルトを工作しました。


 

まずキャッチのベース位置を合わせるためにかさ上げステーを付けます。


 

T型のステーに8ミリの穴を開けステーに取り付けます。

ロングボルトをU字に曲げカット。フック状に使用するためです。


 

まあまあの取り付けです。
簡易ですが150キロくらいなら持つでしょう。

実際に左のパニアを付けてみましたが、マフラーの逃がし部位に改良の余地ありです。
ここもシール加工時に一緒に直そうと思っています。


 

なんと、ケースが完成後に右パニアが到着しました。
いったい今までの苦労は・・・・・・。

早速各部をチェック。考え方としては問題ないようです。
造ったケースのシール部分が切りっ放しなので間延びしていますが、ここもステンレスで囲うつもりなので、
結構しまってくることでしょう。

まっ、それはそれとして右を純正品に、左を造った物で使い勝手を比較してみる事にしました。




走行に関しては全く問題ありませんでした。
簡易の取り付けステーを使っているので、純正のようにワンタッチでケースを取り外す事はできませんでしたが
使用感も問題になるようなことは有りませんでした。

ただ雨に降られてケースの中に入り込み、抜けるところが無いので岐阜県の雨を
兵庫県まで持ち帰るはめになりました。

反省点を含みシーリング加工はまた次回になります。

問題の金額ですが、

折り曲げ代が2個で2万円(負けてもらいました)
ステンパイプとブラケットが6、540円
アルミ板は手持ちを使用したのですが、7、000円ほどだと記憶します。

自分で造って33、540円ってところですか。

今回造ったケースがこれで完成ではなく、これからも加工が必要な事を考えると
純正のパニアケースを見て高額だとは思いません。
逆に安いのではないかと思えるほどです。

物を見て、これを造るのにどれくらいの技術と時間が必要かある程度わかるからで、
自分で造る事が出来る人には、物の値段が見えてきます。

純正パニアを高価と言う前に、その仕事をじっくり見るべきです。
確かに開閉時の開き止めの造りが悪いだとか、
ケース上部への荷物の結束がしずらいとか考えられますが、
それこそそこはカスタムすべきです。

悪い事は言いません。タキゲン!タキゲンを検索です。

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