”Made in Japan”

ほめられた事じゃないが、私は人一倍に執念深い。

よく「一日寝るとこの人はケロッと忘れてるから、悪気はないのよ」なんて耳にするが

私からするとそんな事は考えられない。


人生に与えられた時間なんて限られているんだから、くよくよ悩んだり発展性のない話で

貴重な人生を浪費してしまうのは、もったいないような気もする。

ケロッと忘れて毎日スタートするのも生き方ですよね。



しかし私は思う。水たまりは小さくてもいい。

底知れぬ深さで人生は楽しくなる。

人はどうであれ、間違いなく自分は楽しくなるのだ。


だから私はそんな性格であっても、くよくよしないし後悔もない。

かつてフリーダイビングで世界記録を持っていたジャック・マイヨール。

素潜りで100mを超えた彼が言った言葉に、「深く潜れば潜るほど、地上へ帰る理由が見つからない」である。

それはきっと深く潜れる者にしか、理解できない世界かもしれない。

幸せになることを目指すのも生き方だけれども、彼を理解したいって言うのも生き方なんだよね。

 

さて作業のほうだが、リムへ落とし込んだタイヤのビートが全くでない。

片方のリムへ ビートを追うと、その反対はこんな感じ。

タイヤの中にパーツクリーナーを噴射し、点火して爆発させる手法もあるようだが・・・・。

ここはプロにお任せする。

 

いつもいつもゲテモノ系でお世話になっている”RSハヤシ”さん。

姫路市にお住いのゲテモノは一度訪問するべきです。

どうよ!空気入ると雰囲気出てきますよね。

 

もうバイクの部材ではない。

部品を見てると公園の遊具でも作れる勢いだ。

140ミリのパイプなんて、初めてバイクで使用する。

右写真はエンジンから駆動されるチェーンボックスの補強。

基本的なバイクフレームじゃないので、何がどれほど進んでいるのか?理解できないでしょ。

実は造っているこちらも、バイクを造っている実感がまるで湧いてこない。

そこが面白いところだな。

 

そうそう、Batpodはチェーンドライブだって知ってましたか?

と言っても、チェーンを直接確認したわけではないのだが、形状や使用部品

メンテナンス窓を見る限り、物理的にチェーンとしか解釈できない。

従って、左写真のように部品の接合部の内部は、全てに切欠きが必要になってくるわけだ。

 

エンジンからメインフレームが伸び、タイヤ右へオフセット。

オフセットされたフレームは、上下のチェーンケースと兼ねたフレームとして後方へ。

後方へ延ばされたフレームはハブへと連結される。


四台分製作でガレージは鉄工所状態。

無論、バイク屋の雰囲気はこれっぽっちも存在しない。

最初の話じゃないがドンドン潜ってゆきますよ〜〜。後ずさりしないで付いてきてくださいよ〜。

 

オフセットされたラインは、スプロケットからのチェーンを上下に振り分けられ

それぞれがフレームの中を導かれてゆく。

交差される部分はこちらも内部で切欠きが施されてゆく。

 

こんな感じで内部は切りかかれ、オリジナルにも存在する張りが宛がわれる。

 

後方部のフレーム完成が近づいてきたので、メカニカルな部分にも着手したい。

それは後輪ホイールを固定するハブの取り付け。


基本的に片持ちとあってバイクの構造と言うより、車に近い造りとなる。


ホイール5穴のピッチが120.65ミリ。これに適合するハブは Chevrolet に多く存在する。

後輪ハブは固定され自由度が無く大型化されたものが多いので、4WDのフロントを物色するとS10がコンパクトで

使い勝手がよさそうだ。

そうこう調べていると、どうやらBatpodも同じハブが使われている動画を、見つけることができた。

 

ハブにディスクプレートを組むために、組み込まれてあったハブをもう一度バラす。

そして最高端部のフレーム左右に、装着されるパーツの製作に移る。


このパーツはハブの取り付けができ、チェーン引き張り調整ができるように、オフセット加工の要求。

チェーンからの動力をスプロケットで受け止め、シャフトを介してホイールに伝達する構造。

その全てはベアリングで受け止めなければならない。

 

ハブ側のエンド部品はこんな感じ。これからこの裏もこれから加工する。

 

ハブの目途がたってきたので、後部フレームのフィニッシュとゆこう。

ハブ寸法からの逆算で、最端部のフレームの寸法が算出される。

 

この後端部はけっこう複雑な造りになってる。

チェーン貫通用の二本フレームの穴は勿論の事、この部分には点検窓の切り込みと

それに付随する点検窓。

左右のアクスルを固定するステーの結束加工が加わってくる。

 

正確な採寸に正確な切削。

精度を追及すると、修正いらずに組み立てが出来る。

左の写真はチェーンラインからの二本のパイプを、挿入しただけなのだが

どうよ!前方のフレームと見事な平行が得られています。

こうだと後の溶接が非常に楽だ。



このBatpodは色々な国で造られていることを、知っているだろうか?

俺は資料を集めている中で、様々な国のBatpodを見てきた。

お国柄で色々な考え方があるのは理解できる。

しかし、オリジナルとはどれも納得ゆく造り込ではない。

日本で言う所の緻密な造り込は、他国では観念が違っているのかも知れない。


日本には素晴らしい職人さんがたくさん居る。

それこそ彼らはそれ以外の会話はできないし、味気なく見えてしまうかもしれない。

彼らはフリーダイバーだ。

機能しない聴力や臭覚。暗闇に包まれてゆく視力。

奪われた感覚は触覚へと受け継がれ手先の素数はキロからメガへ。

妥協しない姿勢。限りない探究心。

それがまさしく Made in Japan 。



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