まあ、シートレールを自分で造ろうと、考える人間は相当な好き者だ。
で、実際に作ってみると、その複雑さに閉口したことだろう。

シートレールは見える部品ではない。まして可動部品だ。
ここで採寸を間違うと、乗り心地に直接影響する。ここで採寸を間違うと、滑らかにシートが移動しない。

幸い、この手の車は下地がフラットだ。モノコックのフレームだと、四点(その多くが四点止め)
全てが異なる位置に固定したりする。
それを思うと、若干は作業性が良好かもしれない。でもないか。

どちらにしても、判断するのは貴方次第です。

シートをスライドレール化し、奥方にもセブンを楽しんでもらい、
ご機嫌を取り戻してもらおうではないか同士よ!



純正シートを入手したのを機に、シートをスライド化する算段。

元々はバケットが付いていたが、しかし・・・、このシートなんて留め方だ。



しっかし、しょぼいシートだ。

バーキンのシートはセブンの中でもしょぼいと聞いていたが、ウィッキペディアでしょぼいと引くと、
「バーキンのシート」って書いてもいいんじゃない。って言うか書き直してやれ!

とにかくシートの底寸法を採寸。進行方向前後が470ミリ。横方向が350ミリだ。



シート座面が貧弱だから、ベースになる板をA5052 5ミリ厚のアルミで製作。

この板に、シートとレールが取り付くわけだ。
そして不必要な部分は極力取り除く方針です。

左の写真にあるように、これだけの採寸では完成ではありません。
作業が進むにつれ、分かってくる寸法があるので、その部分は先で紹介します。



作業には関係有りませんが、大きな穴を抜くのにホールソーと言う工具が良く使われます。
写真左のものですが、これがアルミには不向きなのです。

アルミ用のホールソーも有るのですが、非常に高額です。
問題はアルミの切り屑が噛み、アルミが熱で粘って歯を侵すようです。

市販で売られているタッピング スプレーを塗布すればトラブルが極端に減りますが、
切りくずの排出を確認しながら、熱を持ってきたようであれば止める。
冷めてから作業。
これで概ね克服できると思います。



レール本体はオークションで「汎用レール」として出品されていたものです。
500円で大満足!

それはさておき、レールの配置です。
もしも、フレーム上に配置すると、A)フレームの厚み+B)レール本体厚み+C)ロックレバー厚み
が加算されます。しかし、横に配置すると、Cのロックレバー厚みだけ加算されます。

ローアングルが命のセブンにとって、低いポジションは必修科目。



さ〜っ。レバーの向きが機構的に逆だったので、ひん曲げる事にしたのだが、見事に折れました。
結構、硬い材質のようです。

て言うか、折るつもりで曲げました。
だって、この形状を変えると、シート高がまだ下がる事に気が付いたのです。



ややこしい写真ですが、ややこしい作業なので仕方ない。

(右の写真を参照)上のレールが純正の配置です。それを下のレールのように丸棒をキックして曲げます。
そうすると邪魔だった丸棒の厚み分が下がり、シートベース位置を下げられるって訳です。

この施行を行うには、取り付けてある全てのパーツをばらす必要があります。

今回は丸棒が折れてしまったので、ステンレス丸棒で代用。
右写真下部の写真はコイルプリング受けの切り込みです。



あ〜っ、コレ見ていったいどれだけの人が「それじゃ俺もやってみるか」
何て、言ってくれるのでしょう?

組みつけの図ですが、丸棒がステンレス、溶接されていた金具がスチールです。

スチールとステンレスを溶接する場合はSUS304じゃなく309で溶接です。
もち亀裂対策です。



元々シートの取り付け部分は角パイプが組まれています。
先頭で説明したように、標準で取り付けてある角パイプ フレームの横並びに配置するわけですが、
若干フレームより高く配置しなくてはなりません。
でないと、シートベースがフレームに干渉し、スライドが厳しくなります。

元々のフレーム上部に1ミリ スチール板を配置。その上に定規代わりの角パイプをバイスで固定。
レール配置部分にレールを挿入し、そのレール下にレール固定ステーを溶接します。

これでレールは1ミリアップで取り付けられる訳です。



先ず、レールをフレーム側に仮付けします。
でないと、シートをどの部分に留めるのか分からないからです。

先に述べた寸法が分からない部分とはこの部分です。
そして不必要な部分が分かってくるので、その採寸も行います。



切り出した板と更に必要な数値です。

赤丸部分はシート取り付け位置です。
この寸法は車輌によって、若干変わる可能性が有ります。



普通はシートの取り外しと言うと、シートをレールから外し、レールの撤去。
或いは、シートをスライドさせながら、シート&レールの組で外す。が、普通です。

でもバーキンの場合はドアが無いので、シートの下を覗き込む何てことはできません。
従って、作業はほとんど上目線からです。

1)順序としてはベースにレールを取り付け。
2)そのベースを車に配置(このときレール取り付け穴を作っておく)
3)スライドさせながらシートを取り付け(ベースにナッターを打っておく)

3)・・・・のナッターとはリベットで留めるナットのようなものです。
これを打っておかないと、手がベースの下には入りません。
ついでに言いますと、ナッターを打つと1〜1,5ミリほど頭が表に出てきます。
フラットがベストなので、出てくる部分をあらかじめ座繰りしておきます。

上左の写真はその作業です。



先に述べましたが、左の写真はベースに付いたレールを、車側に取り付けている図です。

右写真は純正シートの座面がちゃちいFRPだったので、当たり面を大きく稼ぐ為に、
巨大ワッシャーを製作しました。アンド!ゴムで角を立つのも解消。



シートのスライドは15センチほどがベストでした。
私は身長が173センチあるのですが、現状がベストです。

シート位置はおおまかに体の半分として、目一杯シートを前に据えると、
140センチくらいの体格でも対応できるのではないでしょうか?



これは真正面から見た写真です。
ヘッドレストの位置がずれているので、シート背面の上を見てください。

レールから1ミリの遊び。5ミリのアルミ板。シートとベースとの間に2ミリのワッシャー。
運転席は合計8ミリのアップです。
これくらいなら許容範囲でしょう。

見えないだけに、ジミ〜〜〜に疲れました。


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